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胎児期・新生児期は、生涯のうちで最も生命を脅かされる時期であり、子どもたちの健やかな成長を守るうえで最も重要な時期です。平成6年10月に兵庫県立こども病院に周産期医療センターが開設されたことにより、ひとのライフサイクルに出生前から一貫して対応できる成育医療としての体制ができ上がりました。
周産期医療センターでは、ハイリスク妊婦を年間400名、ハイリスク新生児を年間600名の診療を行っています。最近では、出生体重1,000g未満の超低出生体重児を年間60名受け入れ、その救命率は90%を越えるまでになっています。この好成績の背景にあるのは、過去10年間に地域の産科医療機関との連携システムが確立し、ほとんどの超低出生体重児が、出産前にハイリスク妊婦としてセンターに母体搬送されてくる体制ができ上がったことにあります。また、開設当初から新生児搬送用のドクターズカーを有し、兵庫県下全域の産科医療機関に新生児科医師・看護師が出向き、ハイリスク新生児の受け入れを行い、新生児の治療効果は大いに向上しました。
一方、合計特殊出生率が1.29と少子社会が一段と進む中で、低出生体重児の出生数は近年著しく増加し、全出生の10%が出生体重2,500g未満の低出生体重児であるという極めて深刻な事態になっています。とくに、多胎児出生の増加、十代の若年母親・高齢出産の増加、若年女性の痩せなどがハイリスク新生児の絶対数の増加につながっており、もはや、当センターだけでは十分に対応できなくなっています。
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当センターは、平成12年以来兵庫県唯一の総合周産期医療センターとしての役割を担い、県下の地域周産期医療センターとのネットワークの中核としての周産期医療の提供を図るとともに、周産期医療情報の収集・提供、周産期医療水準向上のための教育・研修会の開催を行ってきました。しかしながら、我が兵庫県の周産期死亡率・新生児死亡率はかっては全国平均を大きく下回っていましたが、近年他府県の低下率がより著しく、
兵庫県は全国平均レベルにまで悪化していることには責任を感じています。ハイリスク新生児では、退院後にも十分な医療的ケアを必要とする児が少なくありません。今後は、総合周産期医療センターとして、県下の医療機関、保健・福祉機関との連携・協力をより蜜にし、周産期医療水準の向上に向けた活動を、また、入院中だけでなく、退院後にも継続したケアを行う医療を展開していく体制を図りたく考えています。
この10周年を期に実施されたアンケート調査結果を参考に、患者様の安心と信頼を得られるよう、職員一同努めていく所存です。皆さま方のより一層の御指導・御支援を賜りますようお願い申し上げる次第です。
平成16年10月
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