周産期医療センター10年間のあゆみ

産科の診療10年間の歩み-1

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産科の診療10年間の歩み

産科   大橋正伸、 原田明、 佐本崇、 石原尚徳、 新谷潔、 近田恵理、 猿渡由美子

 周産期医療センターが開設された平成6年10月から平成15年12月31日までの産科における診療内容を紹介するとともに、現在、産科診療の場で直面している問題点について概説する。
 開設時より当センター産科は他施設から紹介された異常妊産婦(いわゆるハイリスク妊産婦)に限定して患者を受け入れてきた。そのために入院患者のうち緊急母体搬送の占める割合の多いことが一番の特徴である。10年間の延べ入院患者数4619名のうち救急車などで緊急母体搬送されたものは2268名で全体の49%を占めた(表1) 。

緊急母体搬送件数は年々増加して平成14年には年間284件に達した。幸いにも平成15年には227件にまでに低下したが、これが一時的な減少でないことを期待する。しかし一方、緊急母体搬送数の増加は県内の産科施設において異常妊産婦の早期発見技術の向上と早期紹介の認識が広まったことを示すものであり、さらに県民が周産期医療システムの意義を理解するようになったことも意味する。まさしく本システムの整備が県下の母子保健を改善させるに極めて有効であったことを証明するものである。


(表1) 産科診療実績(平成6年10月〜15年12月)


6年

7年

8年

9年

10年

11年

12年

13年

14年

15年

延べ入院患者数

66

336

363

407

430

518

568

633

676

622

4619

 うち母体搬送によるもの

39

209

236

229

243

271

262

268

284

227

2268

 外来紹介によるもの

27

127

127

178

187

247

306

365

392

395

2351

 母体搬送率

59%

62%

65%

56%

57%

52%

46%

42%

42%

36%

49%

 分娩数(22週以降)

39

241

264

326

317

355

422

407

397

387

3155

帝王切開数

24

118

168

159

163

186

227

226

257

226

1754

 帝王切開率

62%

49%

64%

49%

51%

52%

54%

56%

65%

58%

56%

早産数(37週未満)

28

134

192

214

218

261

246

233

261

306

2093

 早産の占める割合

72%

56%

73%

66%

69%

74%

58%

57%

66%

79%

66%

低出生体重児数

29

165

216

227

239

267

280

295

361

341

2420


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