周産期医療センター10年間のあゆみ

産科の診療10年間の歩み-6

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産科の診療10年間の歩み

産科   大橋正伸、 原田明、 佐本崇、 石原尚徳、 新谷潔、 近田恵理、 猿渡由美子

 産科病棟と新生児病棟は独立した診療体制をとっている。そこで、往々にして母児患者の流れも独立したものと誤解されることがある。周産期センターにおいて患者の大半は母体(胎児を含む)の入院→出産→新生児の入院→母体の退院→新生児の退院という流れにそって治療を受ける。この点において他科の患者の流れと大きく異なる。つまり出産すると母体は新生児の状態に関わらずまもなく退院するが、多くの児は母体の退院後も引き続いて新生児科に入院し治療を受けなければならない。当然ながら1人の児が新生児科に入院しなければならない期間はその児の異常や未熟性の程度に比例して長くなる。したがって出生後に厳重な管理、治療を要する異常児や未熟児の出産数が多くなるほど新生児科の病床の回転率は低下せざるを得ない。
 言い換えると産科の受け入れ妊産婦をハイリスク妊娠に特化すればするほど、新生児科病床の回転率は低下する。そのため周産期センターにおける患者の流れの入り口である産科の母体入院がしばしば制限を受けることになる。当センターにおいてもここ数年来、ハイリスク母児の入院数増加と病棟の円滑な稼働とのジレンマに難渋させられてきた。

 産科、新生児科の病床数と取り扱っているハイリスク母児数のバランスについて当センターと全国の周産期センターを比較すると、病床数あたりのハイリスク母児の数は全国でもトップクラスにあり、これ以上のハイリスク母児を受け入れることに限界がある。当周産期センターの円滑な稼働性を保ちつつ、さらにレベルアップした診療を行なうには、ハイリスク妊婦から出産した成熟児については母児同室制を導入するなどの新体制の整備が望まれる。


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