周産期医療センター10年間のあゆみ

周産期医療センターにおける未熟児網膜症の発症および治療状況

戻る

次へ

周産期医療センターにおける未熟児網膜症の発症および治療状況

眼科   野村 耕治

 周産期医療センターでの診療が本格化した開設翌年の1995年度から昨年度までの9年間に眼科管理を行った未熟児総数は1190例で、内503例で未熟児網膜症を発症している。 表1に出生体重別の病期進行状況を示す(厚生省分類)。
 3期以上の重症網膜症に進行する例、割合ともに1000g未満の超低出生体重児に多い。この重症例に対し血管増殖病変の自然消退不可と判断し網膜光凝固術(ごく少数例については冷凍凝固術)を施行したものは129例で、眼科管理例全体における治療率は10.8%である。なお、9年間の治療率推移に際立った傾向は見られない(図1)。
 治療状況を体重別にみると1000g以上1500g未満の群で24例、1000g未満の群で105例と、当然、超低出生体重児群で治療例が多いが、3期以上進行例における各群の治療割合は前者67.6%、後者68.0%と両群で差がない。

これは一旦、病期が進行した場合には対象の未熟性に関係なく、増殖性変化の経過予測に基づいて治療判断を行って来た結果である。一方、個々の治療内容については超低出生体重児群でより増殖病変の重症度が高く、また、硝子体混濁や散瞳不良など眼球の未熟性が高いため同群の治療条件ははるかに厳しい。活動期未熟児網膜症に対する治療は患児の視覚予後に大きな影響を及ぼす。周辺網膜の変性、瘢痕化という代償のもとに成立する治療であるという認識のもと、今後とも個々症例について治療の適応や実施時期について適切に判断、対応していく必要がある。


(表1)

(図1)

戻る

次へ

目次 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26

このページのトップへ戻る