周産期医療センター10年間のあゆみ

周産期医療における泌尿器科の役割

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周産期医療における泌尿器科の役割

泌尿器科   杉多良文、 乃美昌司、 相野谷慶子、 渡邉仁人

 胎児超音波検査により発見される尿路異常の頻度は約1/100胎児とされ、かつては尿路感染症や腹痛などの症状の精査で診断されていた小児の尿路異常が、近年では胎児期に発見されるようになったことは周知の事実である。過去10年間に当科で経験した胎児診断による尿路異常は278例であった(図1)。胎児超音波検査により尿路異常が診断されると、産科と連携し、更なる精査・胎児治療・早期娩 出の必要性などを検討する一方で、妊婦および家族への病状説明を行う。出生後は、新生児科と連携し、超音波検査、排尿時膀胱尿道造影検査、核医学検査などを行うことにより確定診断し、治療方針を決定する。また、当科は停留精 巣、尿道下裂などの性器疾患を扱い、内分泌科とともに性分化異常における性の決定などにも関与する。停留精巣や尿道下裂は、新生児期の早期診断により早期治療が可能となり、原則として乳児期に根治術を行っている。非常に稀な疾患ではあるが、総排泄腔外反症や膀胱外反症など出生後直ちに修復術を要する疾患では、外科と共同で手術を行う。脳神経外科での二分脊椎や外科における鎖肛なども神経因性膀胱の原因になるので、排尿障害による上部尿路障害を未然に防ぐため、新生児期から泌尿器科が排尿管理を担当する。

 このように周産期医療における泌尿器科の役割は、産科および新生児科を中心とした包括医療の一部にしか過ぎないが、今後も引き続き包括医療の一部を担うことにより、泌尿器科疾患を有する児に対して最善の治療を行っていきたい。


(図1) 出生前診断された尿路異常278例

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