周産期医療センター10年間のあゆみ

周産期における形成外科の関わり

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周産期における形成外科の関わり

形成外科   西本 聡

 形成外科は唇顎口蓋裂、多指合指をはじめとする手足の奇形、外耳の奇形、血管腫や母斑などのあざなど主に外表奇形を扱う科であるため、生命予後を左右するような疾患を対象とすることは少ない。そのため、周産期に緊急に処置を要する機会は少ない。しかし、妊産婦および家族にとって出産は一大イベントであり、新生児の子育ては初めてのこと、わからないことだらけで、ただでさえ不安でいっぱいの時期である。ましてや外表奇形を有する子を持った家族は、たとえその奇形が周囲の者がみればとても軽微なものであっても、その子供の将来について大いに心配するものである。この時期において形成外科医が、その疾患について、あるいは治療方針について説明することである程度家族の不安を解消することができるのではないかと考えて いる。
 唇顎口蓋裂児では、口唇が割れている、後腔と鼻腔が分離されていないなどの理由で口腔内にうまく陰圧を作ることができず、哺乳が上手でない児がある。新生児科の医師、看護師との協力のもと、唇裂口蓋裂用の乳首の利用、回数を分けてゆっくり哺乳させるといったことの指導、あるいは口蓋床プレートを作成するといったことをしている。


この口蓋床プレートは硬口蓋の裂をふさぐことで哺乳をしやすくすること以外に、舌が裂間に入り込むことを防ぐこと により、口蓋の自然発育による裂の狭小化を助ける効果があると考えている。この口蓋床プレートは新生児期の早い時期に装着するとうまく使えるが、ある程度時間がたってから装着すると口の中の違和感のためか吐き出してしまうことが多いような印象を受けている。
 唇裂児の場合、当科では約3ヶ月時に手術することが多いが、割れた口唇の上にテープを貼ってもらうことにより、 裂の幅を狭め、手術をしやすくするようにしている。


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