周産期医療センター10年間のあゆみ

周産期医療センターと麻酔科の連携

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周産期医療センターと麻酔科の連携

麻酔科   香川 哲郎

 周産期センター開設以来、麻酔科は、主に産科および新生児の麻酔を担当するという形で周産期医療を行ってきた。 その現状と展望につき紹介する。
1、周産期麻酔の件数と特徴
 産科患者の麻酔の9割を占める帝王切開術は、2003年度は226件であった。その他、頚管縫縮術、卵管結紮術、子宮内容除去術などに対して麻酔を行っている。
 帝王切開術のうち約85%は脊椎麻酔で行い、それ以外は全身麻酔で行った。脊椎麻酔には0.5%脊麻用マーカインに少量のフェンタニール、塩酸モルヒネを加えることで術中不快感や術後疼痛の軽減をはかっている。また胎盤早期剥離、大量出血、出血傾向などでは全身麻酔を選択し迅速かつ安全な娩出ができるよう配慮している。
 帝王切開術の34%は時間外手術であった。多くを占める緊急手術、特に胎盤早期剥離などにおける超緊急帝王切開術に対応するため、センター開設以来麻酔科当直医が24時間体制で待機を行っている。
 一方、新生児病棟(NICU、GCU)の患者を含めた新生児に対する麻酔の件数は、2003年度は123件であった。このうち生後7日以内の新生児は69件であった。新生児麻酔の対象となるものとしては消化管閉鎖、横隔膜ヘルニアなど一般外科疾患と、大動脈縮窄症、総肺動脈還流異常など循環器疾患が多くを占め、その他脊髄髄膜瘤、未熟児網膜症、さらに気管支鏡、心臓カテーテル検査など多岐にわたり、 いずれも繊細な麻酔管理を必要とする。

2、反省と展望
 病院全体での麻酔件数はこの数年毎年増加しており、2003年度は4000件を突破した。これは全国の小児病院の中でもトップクラスの麻酔件数である。周産期の症例数もこれに比例して増加している。
 多くの件数を抱える一方で、安全に手術・麻酔を行うことは大命題であるが、そのための鍵となる麻酔科医師は全国的に不足しており、2002年、2003年度の夏季は産科医師に一部の麻酔を担当していただいた。現在麻酔科医師を公募しており今後も人員の確保に努めたい。看護部や外科系各科には普段から手術を調整していただくなど様々な協力をいただいたことに感謝を申し上げたい。
 今後、安全な麻酔を供給すると同時に効率的に麻酔業務を行えるよう配慮し、手術件数の増加に対応したい。新生児や産科患者の麻酔は麻酔科においても特殊な領域であると同時にその習得は必須であり、麻酔科スタッフの人事異動も多いが、短期間で技術と経験を習得できるよう教育にも力を入れたい。挿管や全身管理を対象とした他科からの短期研修も積極的に受け入れたい考えである。


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