放射線部のご案内
Q&A
Q1. 病院で診察を受ける度にエックス線撮影をしていますが,一回一回が少ない量でも何回も被曝を重ねることで将来に影響は出ないでしょうか?
A1.  まず、意味のない無駄な撮影をしているのではなく、被曝によるリスクよりも現在の状態や経過を把握することが重要と主治医が判断して撮影していることをご理解ください。このような被曝で影響が出る可能性としては確率的影響である発ガン(白血病)と遺伝的影響が考えられますが、生殖年齢にない子供に影響が出ることはありません。子供が放射線を被曝することによる発ガンの確率は1mSv被曝すると約 0.01 〜 0.015 %高くなると言われています。当院の5歳程度の子供の胸部撮影による被曝は、実測資料によると約0.08mSvになります。よって、これによる発ガンの確率を計算しますと約 0.0008 〜 0.0012 %となり、自然発生率よりも非常に低い確率となっています、現在までの研究で、診断領域の放射線被曝によって患者さんに発ガンや遺伝的影響が発生したことは確認されていません。
Q2. 放射線を受けると白血病になる、あるいは奇形児が生まれる心配があると聞いたのですが大丈夫でしょうか?
A2.  人間が一度に大量の放射線を受けて白血病になる可能性が自然発生率よりも上回る線量は原爆被爆者の疫学調査で200mGy以上といわれています。この放射線量以下では白血病が有意に発生したという確証は長年の疫学調査では統計上認められていません。成人の胸部単純撮影1回で受ける線量は、0.05mGy(赤色骨髄)ですが、この線量に達するには連続して約4000回撮影しないと200mGyになりません。被曝による遺伝的影響については、放射線影響研究所の原爆被爆者調査からは明らかな影響は認められていません。倍加線量(自然発生率の2倍となる線量)は1Gyと言われており、腹部を撮影した場合、女性の生殖腺の被曝線量は約2mGyとなり、倍加線量の約500分の1であることから心配のない放射線量だと言えます。
Q3. 隣のベッドに寝ている子供さんが何度もポータブル撮影されています。横に寝ている子供に影響はありませんか?
A3.  まず、意味のない無駄な撮影をしているのではなく、被曝によるリスクよりも現在の状態や経過を把握することが重要と主治医が判断して撮影していることをご理解ください。このような被曝で影響が出る可能性としては確率的影響である発ガン(白血病)と遺伝的影響が考えられますが、生殖年齢にない子供に影響が出ることはありません。子供が放射線を被曝することによる発ガンの確率は1mSv被曝すると約 0.01 〜 0.015 %高くなると言われています。当院の5歳程度の子供の胸部撮影による被曝は、実測資料によると約0.08mSvになります。よって、これによる発ガンの確率を計算しますと約 0.0008 〜 0.0012 %となり、自然発生率よりも非常に低い確率となっています、現在までの研究で、診断領域の放射線被曝によって患者さんに発ガンや遺伝的影響が発生したことは確認されていません。
Q4. 核医学検査を受けましたが、放射性物質を体内に入れても心配ないのでしょうか?
A4.  放射性物質(ラジオアイソトープ)を直接患者さんの体内に入れるわけですからご心配されるのは当然のことと考えます。注入しますお薬は医薬品として多くの臨床試験を行い安全性を確認のうえで使用許可されていますのでご安心ください。しかし、体内に放射性物質を入れるわけですから検査による被曝は避けることはできません。そのため、できるだけ被曝線量が少ないものが理想であり、半減期(線量が半分に減るまでの時間)が短いもの、体外に早く排泄されるもの、できるだけ弱いガンマ線のみ放出するものを用いて被曝量の減少に努めています。被曝線量は使用します薬品の種類や投与量によって異なります。
 例えば,99mTc を使って12歳程度のこどもの肺血流シンチをした場合には通常185MBq の放射線を体内に注入しますが、この場合、最大の被曝をします肺で12.4mGy 、子宮線量当量は0.37mGy 、実効線量当量は2.2mGy となり、放射線障害の発生する危険性はないと考えられます。
 体内の放射性物質は、その多くが尿から排泄されることから検査後水分を多く取り、頻繁にトイレに行くことが、より被曝線量を減らす有効な方法です。
Q5. エックス線撮影する時の確実な放射線の防護方法はどうすればいいですか?
A5.  撮影しないことが一番いい方法なのですが、そういう訳にもいきません。診断領域で使用する放射線量を被曝して放射線障害が発生する危険性はないと言われていますが、被曝はできる限り少なくすることが望ましく、無駄な撮影は避けてください。その為にも他の施設で撮影したフイルムを紹介状とともに持って来られると当院で撮影しなくていい場合があり、無駄な被曝を避けることができます。
 撮影するときには目的とする部位のエックス線の照射野をできるだけ限定して、他の部位に被曝しない方法で撮影し、また防護用プロテクターも読影の障害にならない範囲で使用しております。5歳程度の子供の股関節撮影時の被曝線量を測ったところ0.38 mGy ですが、性腺には防護プロテクタを使用して被曝しないような方法を講じています。
また、介助していただく場合には必ず防護プロテクタを着用していただき、少量の被曝も防ぐような対策をしておりますのでどうかご安心ください。
Q6. 本当に影響がないのか、まだ不安です。
A6.  放射線は取扱いを誤ると人体に有害な作用を及ぼす性質を持っていることは事実ですが、医学ではその性質を利用して有効に活用しています。現在の医学において放射線の使用なくして診断・治療を行うことは困難であり、不可欠な存在となっています。
 被曝することによるリスクよりも撮影によるメリットの方が大きいと医師が判断した場合のみ検査を行っています。放射線の人体に及ぼす影響については多くの研究から明らかにされており、放射線障害が発生する危険性がないように医療法をはじめとして多くの法律で安全性を確保するために厳密に規制されています。また、使用する側にも制限があり、日本で人体に対して放射線を照射することが許可されているのは教育を受けている医師、歯科医師、診療放射線技師だけと定められています。それ以外の者が人体に照射した場合には診療放射線技師法違反として法律で罰せられます。
 実際に患者さんに放射線を照射するのは放射線技師がほとんどですが、放射線技師は、放射線全般について多くの教育を受け、関連法律を遵守して放射線の有効利用に努めております。放射線検査を受けられる場合には検査の必要性を主治医から十分に説明を受けられ、納得されたうえで安心して検査されることをお薦めいたします。また、放射線に対する不安や心配がございましたら、何なりと質問いただければお答えいたします。
Q7. 子供の股関節のエックス線撮影をした時に介助したのですが、その時妊娠していたことに後で気付きました。お腹の子供に影響ないでしょうか?
A7.  介助によって極僅かな線量を被曝している可能性が考えられますが、当院の介助時には防護プロテクタを必ず着用していただいており、胎児への被曝はありません。
  放射線に被曝すると胎児に障害が出ると言われていますが、それは「胎児への影響としきい線量」の関係から、ある一定の量(最低100mGy)を超えて被曝したときに限られます。当院で実際に線量計を使って測定した結果、子供の股関節撮影に照射するエックス線の量は、5歳の子供で約0.4mGyです。従って、直接お腹にエックス線が照射された場合にはこの線量を被曝することになります。この場合でも、上記にある100mGyの値の約 250分の1でしかありません。また、エックス線写真を見ていただければわかると思いますが、必要最小限の範囲しかエックス線が出ていません。介助は通常この範囲外で行っていますので、この事が原因で胎児に障害が発生することはないと考えられます。
Q8. エックス線撮影時に介助したとき、手に被曝していると思いますが皮膚癌などの心配はないでしょうか?
A8.  エックス線写真は、撮影するとき前もってランプの光で照射する範囲を決めて、その範囲内にのみエックス線を出しています。つまり、撮影する範囲外には10μSv単位の線量計で感知できない程度の少量の散乱線しか存在しません。従って、皮膚障害の「しきい線量」から判断してガンだけでなく、皮膚障害の初期症状である紅斑等も発生する可能性はないと思われます。
Q9. 病室内でのポータブル撮影で介助した場合、どの程度被曝し、また放射線の影響はないのでしょうか?
A9.  ポータブル撮影も、他のエックス線撮影と同様に撮影する範囲以外にはエックス線は出ていません。当院で腹部の撮影条件で実際に測定した結果、腹部より胸部では照射線量も少なく、乳幼児の胸部ポータブル撮影では照射野から2メートル離れると散乱線を検出することができませんでした。つまり、ポータブル撮影では乳幼児では2メートル、成人でも3メートル離れれば散乱線による被曝はほとんど防ぐことができます。ポータブル撮影は重症児が対象であり、事故を防止するため患者の容態が常時観察できる範囲で介助していただくことが最善かと考えます。
確実な防護方法は、撮影している技師の後に位置し、技師を衝立として利用して患児を観察していただくのが最良かと考えます。
Q10. IVRは患者の被曝線量が多いと言われていますが、実際の被曝線量はどの程度になるのですか?
A10.  血管造影検査は、カテーテルと呼ばれる細い管を血管内に入れ、エックス線透視下で目的部位まで進め、カテーテルから造影剤を注入して血管の状態を数秒間連続撮影を行いますので、被曝線量は他のエックス線検査に比べ多くなります。体格によって差がありますが、5歳程度の心臓カテーテル検査では付録4の表から、透視1分あたり正面で約4.3mGy,側面で約12.3mGyの被曝線量となります。また、10秒間の撮影1回あたり正面,側面同時撮影てば付録3の表から約56.6mGyとなります。例として、正面15分、側面5分の透視時間で3回の撮影した場合は約296mGyを1回の検査で被曝することになり、被曝線量の多い検査と言えます。従って、この検査の適応判断は厳しく、他の検査では得られない情報がある場合の精密検査として実施されます。また、検査と同時に血管拡張術、塞栓術、短絡血流の遮断等、カテーテルを使った治療(inter ventional radio1ogy:IVR)を行う場合もあり、被曝線量は多くなりますが、手術に比べ患者さんへの侵襲が少なく、有益な方法として最近は確立されております。
Q11. IVRは検査時間が長く、術者(医師)の被曝線量も多いと考えられますが、実際の被曝線量はどの程度になりますか?
A11.  5歳程度の心臓カテーテル検査では、透視1分あたり正面で約4.3mGy、側面で約12.3mGyの被曝線量となります。また、10秒間の撮影1回あたり正面、側面同時撮影では56.6mGyとなります。例として、正面15分、側面5分の透視時間で3回撮影した場合は約296mGyを1回の検査で被曝することになり、被曝線量の多い検査として認識する必要があります。被曝線量の低減に、撮影回数を少なくすることは診断上支障をきたす場合もあり、困難と思われますので、透視時間をできる限り短くする手技を確立していただき、特にIVRは透視時間が長く、撮影回数が多くなるので注意が必要です。また、術者等放射線診療従事者の場合、被曝線量は寝台から100cm離れた高さ100cmの位置で1分あたり約3.2μGyとなります。透視時間が20分の場合約64μGyの線量がその位置に存在することになります。エックス線の照射中は業務に支障のない範囲で距離を置き、防護前掛、眼鏡等を着用することによって主要部位の散乱線は防護できますが、撮影はできる限りインジェクターを用い、撮影時は室外退避を原則として、透視時間をできる限り短くすることが被曝の機会を減らす最も重要な手段と思われます。
このページのトップへ戻る 戻る