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2006.5.29
輸血を拒否する患者に対する兵庫県立こども病院の基本方針
2006年5月
医療者の医療者たる要件は、全能力を以って病める人を救命し、社会に復帰させるべく医療を施すことである。
従来は、そのための最善の方法=治療の決定権は医師が持つという考え方が一般的であった。しかし、現在は医療環境の変化により、十分なインフォームドコンセントを前提として、患者の自己決定権が重要視されるようになっている。
「エホバの証人」(ものみの塔聖書冊子協会)(以下、エホバ)の信者が患者である場合、輸血拒否の戒律が存在するため、医師の職業倫理と患者の信仰の自由が対立し、しばしば医療現場において混乱を招いている。成人の患者の場合、宗教上の信念に基づいて、本人が輸血を拒否することは法律上保障されており、意思決定能力がある患者本人の同意を得ないで、輸血を強行することは違法行為である、というのが現在の考え方である。
一方、小児患者において、その親権者がエホバである場合、輸血もしくは輸血が必要となる可能性のある手術や治療などに対する親権者の承諾が得られないときに対応する日本の法的制度はない。しかしながら、輸血拒否が信仰上のものであり本人の意思にもとづくものであるとの確認がもっとも重要視されるので、小児患者や意識障害のある患者など判断能力が十分でないと考えられる場合は、医療者は社会的に正当で最善と考えられる治療を行うべきであり、また患者はそのような治療を受ける権利があると考えられる。すなわち当院で治療を受ける小児患者に対しては、親権者の輸血拒否の希望があった場合、輸血回避のための最大限の努力は行うが、輸血以外に救命の手段がない場合は担当医の判断で輸血を行う、という方針をとるものとする。
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