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こども病院では、子どもさんだけが入院されていることから、入院中の出来事を親が知り得るのは、医療者だけからなのです。われわれも積極的に医療情報の開示に努めてはいますが、パソコン、携帯電話とこれだけ日常生活でITに馴れ親しんだ社会の中では、ご家族になかなか満足していただける情報をうまく提供できていないのが実情です。
カルテの記載は、私が医師になった30年前とほとんど変わっておらず、患者さんが読まれても先ず分からないと思います。今日のカルテシステムでは、誰がみても分かる記載をするのは困難です。折角ばく大な量の各種検査・治療の電子化された医療情報があるのに、統括的な処理システムがないために、手仕事でカルテに転載するという前近代的な処理が医療の現場ではなされているのです。従前に比し数十倍にも増大した情報の洪水の中で、昔ながらの手法というアンバランスが医療者へのストレスとなり、医療過誤の原因となっています。
医療分野におけるIT化が、一般社会から大きく取り残されている理由としては、「患者情報の保護・守秘」という面があったからだと思います。しかし、患者情報を患者と共有する体制ができつつある医療機関では、IT化の推進を図ることが医療の透明性を高め、医療不信への解消に結びつくと考えています。
IT化が実現するまで、当院では人海戦術で患者・ご家族に納得していただける医療を目指していきたいと思っています。
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