平成16年1月1日

新年のごあいさつ
「やさしい医療を目指そう、ほほ笑みで」

病院長  中 村  肇

王子動物園の亀井一成さん
からの寄贈作品です。

小児医療のゴールは、疾病をもつ児のいない社会の実現ですが、現実には完治せずに退院せざるを得ない症例も多く、入院時よりも退院後の療養生活の方が患者・家族の方々にとってははるかに深刻な問題となっています。疾病を、障害を持ちながら満足できる社会生活を営むための支援体制づくりが大きな課題になっています。

「こどもの人権重視」を病院の基本理念に

 昨年10月には、「こども病院の基本理念・基本方針」を新たに制定し、「母と子どもへの総合的、高度専門的な医療を通じて、親と地域社会と一体になって子どもたちの健やかな育成を目指します」という文言を加えました。患者・家族の方々に満足していただくために、技術的に専門性の高い医療の提供だけでなく、地域の医療・保健・福祉機関と連携したサービスを展開していきたいと思います。

ほほ笑みの医療を

 質の高い医療の実現には、医療者の心構えが最も大切です。ローマ法王庁のピタウ大司教は、人間関係をうまく保つうえに大切なこととして、「捧げる」、「思い遣り」、「ほほ笑み」の3つを挙げられました。「思い遣り」という言葉は英語にはなく、日本語固有のものだそうです。Sympathy(同情、共感)という単語はありますが、少しニュアンスが違うようです。日本人のもつ「思い遣り」の精神があれば、世界中で戦争は起こらないと神父さんは話されました。

 私はこの3つのうちで、絶えず逆境にある人たちに接しているわれわれ医療者が忘れてはならないのが「ほほ笑み」だと思います。TPOを間違うととんでもない誤解を相手に与えてしまいます。お互いに訓練し、ほほ笑みの達人になろうではありませんか。

◆ Smile your grief away.◆
笑って悲しみをぶっ飛ばせ。