麻酔科 診療科案内一覧へ戻る
  次へ
◆内容と特色◆

兵庫県立こども病院麻酔科では、手術という患者さんとご家族にとっての一大事を、安全、快適に過ごしていただけるよう努力しています。手術が決まったら、手術当日までに麻酔科医師による麻酔の説明があります。麻酔に関してのご質問 、ご要望などがあればいつでもご相談ください。


麻酔科は、安全かつ快適に手術を受けられるようにすることを主な仕事とし、術前診察および評価、全身麻酔管理、呼吸循環管理、術後疼痛管理などを行っています。
小児患者は、手術の際はもちろん、検査や処置などでも痛みや恐怖心を取り除く必要があるため、全身麻酔は大変重要です。
麻酔科では小児患者の麻酔、産科患者の麻酔を担当するとともに、術後鎮痛、病棟での挿管などにも対応しています。麻酔法は、副作用の少ない麻酔薬や鎮痛薬、種々の気道確保法やモニタリングなどにより、患者にとって負担の少なく、より安全な方法を用いています。
小児の鼠径ヘルニアをはじめとする小手術では,手術室に隣接した日帰り手術棟で麻酔・手術を行っています.入院が不要であることから好評を得ています。


◆こどもの麻酔◆

こども病院では、手術の際および痛みを伴う検査(血管造影など)の際に、全身麻酔を行っています。全身麻酔とは、患者さんに麻酔薬を投与し、意識を完全になくし、痛みも記憶もない状態にすることで、患者さんには手術中の苦痛がありません。当院では手術に伴う麻酔はすべて「麻酔科医師」が担当しています。
手術前日
 手術を行う日が決まったら、手術の前日までに麻酔科医師が麻酔の説明を行います。手術の前日もしくは前前日に入院される方は、通常、周産期医療センター3階の「麻酔科診察室」で麻酔科医による診察と説明、手術室看護師によるオリエンテーションを受けていただきます。もし麻酔や手術に関して不安な点や疑問点があれば何でも質問してください。また普段のお子さんの状態、アレルギー、かぜ、普段から持っている病気、飲んでいる薬などについて、麻酔医に話していただくようお願いします。
  また、入院せずに手術を行う場合は、「日帰り手術」のページも合わせてご覧ください。
手術当日
  手術前は飲んだり食べたりする時間が決められているので入院後は指示を守ってください。おなかの中に食べたり飲んだりしたものが入っていると、手術中に吐きもどしたりして危険です。
  手術の1時間ぐらい前に、患者さんによっては眠たくなるお薬を飲んでもらうことがあります。手術室に来るときの不安を取るためです。
  手術室に入ったら、小さなお子さんではたいていの場合、まず眠たくなるガスを吸ってもらいます。これを吸うことにより1から2分程度の間に、完全に眠ってしまいます。この後で点滴を入れることで注射の痛みもありません。眠ってからは口から気管の中に人工呼吸のための管を入れ、手術を始めますが、これも眠っているため何も痛みを感じることはなく、記憶にも残りません。また、眠たくなるガスには少しのにおいがありますが、バニラやイチゴなどのエッセンス(香料)を使ってにおいが気にならないようにしています。
  一方起きている間に点滴をいれてもいいという大きなお子さんや、治療上どうしても点滴が始めに必要な場合は、まず点滴を入れます。その後その点滴を通して眠たくなるお薬を入れ、眠ってもらいます。
手術が終わったら
  手術が終わったら、通常、目を覚まさせてから病室へ戻ります。とはいえ、戻った当初は眠っていたり、泣いていたり、ぐずっていたり、お子さんによりさまざまです。時間とともにしっかりしてきます。
  大きな手術や心臓手術などでは、手術が終わった直後は意識や呼吸が十分ではないため、すぐに目を覚まさないことがあります。この場合は手術が終わった後も眠ったままで、人工呼吸などを続けます。意識や呼吸の十分な回復を待って、目を覚まさせていくのです。

<よくあるご質問>

手術中に目が覚めることはないですか:
現在使用されている麻酔薬、および麻酔の方法では、手術中に目が覚めていることはありません。非常に特殊な状況(例えば血圧が非常に下がって麻酔薬を投与できない)では目が覚めることがないとはいえませんが、非常にまれなことです。

手術が終わってかならず目が覚めるのでしょうか:
  上述した心臓手術や大手術、長時間手術など、また手術中に心臓や呼吸のぐあいが悪くなったときなどでは、あえて手術が終わっても目が覚めないようにします。しかしそれ以外では、手術が終わったらかならず目が覚めます。

夢を見ることはありますか:
  ほとんどのお子さんでは、麻酔中に夢を見ることはありません。手術中の記憶もないし、痛みも感じません。

手術が終わった後は痛いのですか:
  手術をすれば傷ができ、それは当然痛みます。その痛みができるだけ小さくなるように、多くの場合は手術中から痛み止めの薬を投与します。その薬は手術の大きさや種類に合わせて、坐薬であったり、点滴に混ぜていたり、また手術中にいれた細い管(カテーテル)から投与したりします。

麻酔の事故が心配です:
 現在の麻酔はほぼ安全にできており、また麻酔・手術・看護ともに慣れたスタッフが行います。このため、純粋に麻酔が原因と考えられる医療事故の頻度は、非常に低く(飛行機が落ちるよりも低く)なっています。このため、麻酔を受けるにあたってそれほど心配する必要はないでしょう。また我々は医療事故を起こさないよう日々研修、研鑽を積んでいます。

もっと詳しく教えてください:
 
日本小児麻酔学会のホームページに、より詳細な麻酔についての説明と、お子様や保護者の方の心構えについて記載がありますのでお読みください。



◆妊婦の麻酔◆

当院では、妊婦さんが帝王切開をはじめとする手術を受けるときには、麻酔科医師が麻酔を担当します。
手術前
  手術が決定したら、「麻酔科医師」が麻酔の説明にうかがいます。患者さんを診察し、手術前の注意点や麻酔法の説明を行います。もし麻酔や手術に関して不安な点や疑問点があれば何でも質問してください。またアレルギー、かぜ、普段から持っている病気、飲んでいる薬などについて、麻酔医に話していただくようお願いします。ただし、非常に急いで手術を行わなければならない場合には手術前にゆっくり麻酔のお話をする余裕がないため、麻酔の説明を省略する場合もあります。

麻酔の方法
 帝王切開をはじめとして、妊婦さんが受ける手術に必要な麻酔は、多くの場合「脊椎麻酔(せきついますい)」です。背中の、腰のあたりから針を刺して、脊髄(せきずい)のすぐそばに麻酔薬を入れ、下半身を麻酔して手術するというものです。手術中は意識があり、人の話し声などが聞こえます。盲腸の手術などでこの麻酔を受けた方もおられることでしょう。
 また、赤ちゃんの状態や妊婦さんの状態によっては、「全身麻酔」すなわち点滴から眠たくなる薬を入れ、完全に意識をなくし、痛みや記憶をなくした状態で手術する場合や、「硬膜外麻酔」といって背中から麻酔薬を入れる細い管を入れて麻酔を行う場合があります。

手術室にて
  脊椎麻酔を行う場合について説明します。手術室に入ったら心電図や血圧計などを体につけます。そして手術台の上で横向きに寝てもらい、ひざをかかえて「えび」のように丸くなってもらいます。その状態で麻酔科医師が背中を消毒し、麻酔薬を注射します。この注射に使う針は長いものですが、この針を入れるためにまず細い針で痛み止めの注射を行うため、それほど痛く感じることはないでしょう。
  注射が終われば、足の先からしびれてくるのを感じるでしょう。このしびれは徐々に上にあがり、15分ぐらいの間に胸ぐらいのところまでしびれて、それより下は触っている感覚は残っていますが、つねっても痛くなくなります。麻酔科医師は、どこまで麻酔が効いているか調べます。十分麻酔が効いた段階で、手術開始となります。
  手術中は気分が悪くなったり息が苦しくなったりすることがありますが、スタッフが必ずそばにいるので知らせてください。

手術が終わったら
 
手術が終わってからしばらくの間は、麻酔が効いているので下半身はしびれたままです。6時間もたてばかなり足が動くようになり、元に戻っているのを感じることでしょう。脊椎麻酔の後に頭痛を起こす人がいますが、安静にしていればそれほどひどくはなりません。

<よくあるご質問>

以前背中から麻酔をしたときに非常に痛かったのですが:
 上述したように、麻酔のための針を入れるために、まず非常に細い針で痛み止めを行います。まったく痛くないわけではありませんが、多くの患者さんではチクリとする程度です。

麻酔がちゃんと効くでしょうか:
  何らかの原因により、脊椎麻酔が十分に効かないことがあります。もし一回の脊椎麻酔で不十分なときは、もう一度行う場合があります。これでも十分麻酔が効いていなければ、全身麻酔に切り替え、眠ってもらってから手術をすることになります。いずれにせよ、麻酔が効いていない状態で手術をすることはありません。

手術後の傷は痛いですか:
  帝王切開を脊椎麻酔で行う場合、麻酔の薬の中に長時間作用する鎮痛薬を通常入れています。このため、傷の痛みはそれほど強いものではありません。もし痛みがあれば、病棟にて痛み止めの薬(坐薬や注射)が処方されますので遠慮なく言ってください。

手術中目が覚めているのは怖いのですが:
 通常の帝王切開は、脊椎麻酔で行われますが、これに必要な麻酔薬は非常に少量です。非常に少量なので、おなかの赤ちゃんに対しては麻酔薬の副作用はほとんどありません。また手術中目が覚めていることにより、赤ちゃんが生まれたときの泣き声を聞くことができます。しかしながら、どうしても怖い場合は相談の上、全身麻酔を選択することも可能です。

     
このページのトップへ戻る 戻る 次へ