お知らせ

2025年の概要

2025年の入院理由の上位は「切迫早産」、「胎児形態異常」、「胎児発育不全」、「早産期前期破水」、「多胎」です。病床稼働率は75.5%、緊急母体搬送の受け入れ数は113件(受け入れ率79%)でした。妊娠24週未満の頸管長短縮・胎胞形成例の治療的頸管縫縮術を行っております(14例)。病状が落ち着いた方や、紹介元で対応可能な妊娠週数となれば、紹介元へ戻っていただいております。2025年の紹介元へ戻れた方は523名でした(外来レベルで行われたものも含む)。

 当院には産科以外の成人を診る専門医がおりませんので、母体合併症に関しては神戸大学医学部附属病院や神戸市立医療センター中央市民病院等をご紹介しております。近隣の神戸市立医療センター中央市民病院も総合周産期母子医療センターでありますが、中央市民病院は母体合併症を、当院は胎児・新生児にフォーカスした診療の棲み分け、病病連携を行なっております。

 当院は、胎児治療(胎児頻脈性不整脈→経母体的抗不整脈薬投与、胎児胸水→胸水除去、EXIT:exutero intrapartum treatment等)も行なっており、2023年から羊水過少例に子宮内環境を改善するため「人工羊水注入」を始めました。
 2年で産科の教科書に出てくるほとんどの症例を経験できます。当院は「周産期新生児医学会専門医制度」の母体胎児研修の基幹施設です。2025年は産婦人科指導医5名、同専門医8名、周産期・新生児医学会指導医2名、同専門医(母体・胎児)5名、臨床遺伝専門医1名、超音波専門医1名となりました。症例が豊富なため学会発表、論文発表が十分可能で、学会活動を奨励しております。「周産期新生児医学会専門医制度」の母体胎児研修の基幹施設であり周産期新生児医学会専門医を育成しております。

 11月29日に船越医師が10年以上の兵庫県医師会委員会委員としての活動に対し「兵庫県医師会優功賞」を受賞しました。
 12月6日に兵庫県医師会館で「令和7年度兵庫県立こども病院周産期医療センター研修会」を開催し、兵庫県こどものきこえ相談センター長 大津雅秀先生から特別講演「小児難聴診療 ―新生児聴覚検査から療育まで―」にて新生児聴覚スクリーニングに関する最新情報わかりやすく詳細に解説いただきました。
 2026年3月17日に放射線科医師と胎児MRIを撮影した症例の経過とMRIの読影、その後の経過を検討する「MRIカンファレンス」を開催しました。報告書からだけでは伺えないMRIの読み方について研修することができます。
 産科病棟の取組みとして、「超緊急帝王切開シミュレーション」を産科、新生児内科、麻酔科、手術室が協力して行いました。妊産婦のメンタルヘルスに関わる「EPDS会議」、「プレネイタルビジット会議」、「アドバンス助産師会」を定期開催しております。また、「助産師外来」を始めました。2018年から「周産期メンタルヘルス」を取組み始め、2019年から当院で分娩した方に「バースプラン」、「バースレビュー」、「ねぎらい膳」を、通院中の思春期〜成人患者に対し移行期支援の一つとして性教育等を行う「いちごクラス」とコンサルテーション外来として「思春期・女性外来」を開始しています。また、「母乳外来」は、他院で分娩したが、児が当院入院・通院中の方の利用が増加しています。2020年9月より切迫早産等で長期入院加療された方に「産後リハビリテーション」を導入いたしました。長期の安静入院に伴い足腰の筋肉が衰えますので患者様から高い評価を得ております。この他、帝王切開分娩が予定されている方へ外来にて帝王切開のオリエンテーションを行う「帝王切開クラス」を開始しました。超未熟児出生が予想される症例や生後児に何らかの加療(処置、手術)を受ける症例に対し「プレネイタルビジット(出生前小児保健指導)」の充実化を進めております。